夜まで待てない…《執事の焦らす指先》
ガラスの窓から降り注ぐ、春の優しい陽の光が斗希を魅惑的に見せる。


昼は従順な執事。

夜は獰猛なケモノに変化する。


私の肌に触れる彼の指先。

触れられた場所から甘い痺れが起きて、少しずつ…私の身体を蝕んてゆく。


私は吐息と共に声を漏らし、身体を快楽に狂い惑わせる。



でも、今は白手袋の中に隠れて、斗希の手は見えない。


長く骨ばった指。

桜色でキレイに手入れされたアーチ型の爪。

青い血管の浮き上がった甲。



「ねぇー…手袋を外して、私に手を見せて」


「手ですか?」


「外して、私に触れて…」




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