曇り声
曇り声
全てが偶然に
運命が回っていた。
人が沢山いるこの広い世界
もう二度と会えない人達で
溢れかえっているだろう。
巡り合えたのは偶然で
もう二度と会えなくなるのは
当然ともいえるのに、
私は君に恋をした。
少し鼻にかかった
優しい声の君に。
まるで寝起きのような
ふんわりした口調で
君の声がまるで曇のよう。
曇り声だね
私が言った。
曇り声かな
君が言った。
その曇り声で
名前を呼ばれ
その曇り声が
頭から離れなくなった。
好きになった。
君の発した声で
始まった私との関係。
君の声が愛しい。
< 1 / 3 >