鏡の中のドッペルゲンガー







「ほくろちぇっく」


遥があたしの左目の下にあるオリオン座みたいに三つ並んだ小さなほくろを指差す。

これが暇になると決まって始まる愛情表現。

バカップル?あぁ、なんだって言ってよ。

あたしも遥の右目の下にあるそれをつっつく。全く同じ形、同じ数。

遥の顔とあたしの顔、合わせたらきっと左右対称。

小学生の頃から大学4年になってもそれは変わらない。

最近じゃずっと一緒にいるせいか顔まで似てるなんて言われるようになってきた。

そんな年にもなってほくろごときで絆を確かめ合うなんて子供っぽい?

でもあたしは遥のオリオン座が大好きなの。だから自分のだってスキになれる。

それまでは顔にあるほくろなんてコンプレックスでしかなかった。

遥がそれを変えてくれた。

ねぇ、だから許してよ――。











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