鏡の中のドッペルゲンガー







次の瞬間唇に注がれた甘くて柔らかな麻薬。

なんて、気持ちいいの――?

やっぱり好きだ、この感触。柔らかくて、吸い付きやすくて。



「は、るか。も、いい」

「……まだ」


ほんとにちょっと飲みすぎなんじゃない?

子猫みたいに甘えて本能のままにあたしを貪る。

このままだとあたしだって止まらない。

キスをしながらうっすら目を開けるとちょうど遥の頬のオリオン座がみえる。

大好きなものを一遍与えられて天国にいかない人間なんていないでしょ?



「菫、……好き。早く家に帰ろ」

「うん」


オリオン座とその癖になる唇が一番すき。

でも、遥の一部ならなんだってあたしは虜になってしまうの。




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