刈り上げBoy上々。
 ― 咲蘭side ―
 「フレーッフレーッ赤―組ー」
 この時期はどの生徒も体育祭の練習に明け暮れているだろう。
 あたし一人を除いて。
 麻川咲蘭、14歳。中学2年。
 自分で言うのもなんだけど、そこらへんの女子よりいい顔してると思う。
 それにしても葉月まだかなぁ。待ち合わせの時刻からもう10分たってるんですけど。どうしよ。もうソーラン始まっちゃう。
 ソーランっていうのはこの地域でよく体育祭で踊られる踊りのこと。
 体育祭であたしはソーランを踊ることになったんだ。
「おまたせー。さくちゃん早ぃ・・・」
「葉月が遅いんだろっっ まぁいいや。遅れるの嫌だから早く行こ。」
 ちょっとカブリ気味でしゃべる。
 そしてあたしはあたふたする葉月をおいて、体育館にはいった。


< 2 / 13 >

この作品をシェア

pagetop