雨夜の月に【密フェチSS】
わたしの返事を待ちもせず、同意とばかりに素肌に指を滑らせて。
心を暴くように身に纏うものを取り除いていく。
いつもこうだ。
わたしの意志など関係ない。
そして、合わせた肌はいつになく冷たかった。
わたしの頬に雫が落ちた。それが、何なのかわからない。
見上げた彼の顔は妖艶で美しかった。
また一つ、落ちる。そして、また一つ。
汗だろうか。涙かもしれない。それとも雨。
そのどれでも構わない。
ただ、彼の重みを感じながら、指と指を絡めることを願った。