戸惑いdistance
「りーほーちゃんっ☆」
里「おはよ、歩美。」
歩「おはよ。じゃないでしょーがっ!
あんた最近、私に隠してることあるでしょ?」
歩美が顔をぐいっと
ちかづけてくる。
里「か、隠し事なんて・・・」
歩「いーや、確信した。
あんた恋してるでしょ。」
里「なっ!!///」
歩「あら図星?笑」
にやりと口角を上げる歩美に観念した私は、
毎週金曜日に決まって
こーたくんと屋上で
会っていることを話した。
歩「で、どこまでいった?」
里「ばっ、ばか!!
ただの友達だってば;;」
お互い好きなバンドの
CDの貸し借りをしたり、
クラスのことを話したり、
特別な関係ではなかった。
歩「あんたは恋愛関係に疎いから知らないだろうけどさ。
虹太くんってか・な・り!モテんのよ!?
ぼーっとしてたら
その辺の女に持ってかれちゃうんだからね!!」
人差し指を突き付けられ
ことばに詰まる。
・・・そっか。
彼女さんができたら、
2人で会うことも
できなくなるのか。
寂しい・・・なぁ。
里「わかんないの。
どきどきしたり、上手く喋れなかったり・・・
いろんな感情が初めてで
よくわかんない。」
この気持ちを
はっきりさせたら、
こーたくんとの世界が
失くなるかもしれない。
それは哀しすぎるから
今のままでいい。
歩「・・・まぁよく考えな。
里穂の初恋、しっかりサポートしてやろうじゃん☆」
里「・・・ありがと。
あ、今日久々にカラオケでも行っちゃう?」
歩「いいね♪行こ行こ!」
もやもやした気持ちを
むりやり押し込んで、
私は歩美と笑い合った。