戸惑いdistance
〜虹太side〜
ケ「おい虹太!!またぼーっとしやがって。
学食行くぞ!!」
虹「だるいからパス。」
屋上に行かなくなって
すでに3週間が経っていた。
里穂への気持ちがどうしても吹っ切れない俺は
情けないほどに無気力な毎日を過ごしていた。
(里穂・・・怒ってるかな。
なんも言わずに待ち合わせの約束破ったこと。)
これで良かったんだ。
一緒にいたら、
いつまでも諦めきれない。
最初はただの一目惚れでも、
言葉を交わす度に
もっと好きになっていった。
好きな気持ちが
抑え切れなくなる前に
離れなきゃだよな。
(もっとも、もう手遅れな気がするけどな)
ため息をついたその時。
ケ「里穂も心配してたぞ。
お前の体調が悪いんじゃねーかって。」
虹「ぇ・・・、」
ケ「珍しく電話かけてきて
お前は最近元気かって。
いつのまにそんな仲良くなってたんだよお前ら。」
どくんどくんと
心臓が音をたてる。
里穂が俺を心配・・・?
・・・まぁ、そうだよな。
互いの連絡先も知らないし
学校でも会わないから。
俺ってほんとバカ。
こんな小さなことでも
すげえ嬉しい・・・。
赤くなった顔を
みられたくなくて、
机に突っ伏した。