僕は今日も罠をはる
「毎日朝から何してんの?しかも後輩ばっかり。彼女達はあんたのオモチャじゃないのよ。」

珈琲をつぎ終ったあと、蔑むような表情とセットで鋭い声がとんできた。

そう。僕が見たいのはこの瞳。
結羽、それで感情を隠してるつもり?

「じゃあさ結羽。僕と寄り戻してみない?」

瞳をのぞき込みながら言えば、

「馬鹿言わないで。」

さらに瞳の奥の揺れとともに視線は鋭くなる。

「そう?残念。…でもね、結羽。瞳の奥は僕が欲しいって言ってるよ。」

「…ッ‼」

にっこり微笑んで言ってやれば、
勢いよく外された視線。

「ありえないから…。」

そう呟いたと思ったら、結羽は給湯室から出て行った。






ねぇ、知ってる?
後輩ばかりを口説く理由。

それはね
結羽が来たら居なくなってくれるからだよ。

結羽のあの瞳が見たくてやってるんだから、いつまでも居られたら邪魔でしょ?

でも、もう少し。
もう少しでその熱い視線は全部僕のもの。

前みたいに逃がすつもりなんてないから、もっと僕を欲しがって。



fin


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