もう二度と、返さない
I can't stand it!
 
久しぶりの飲み会は大荒れだった。
 
一人、また一人と潰れて、起きているのは私と巽だけ。
だけど私だって本当は限界を超えていて、床に転がっているみんなと同じように眠りたかった。


「寝るな」

「やだ、眠い」
 

頬を抓られたところで眠気は覚めない。

第一、二人でずっとトランプだけなんて。こんなの拷問だ。
 

ちらりと、あぐらをかいた脚を盗み見る。
日本人離れした、形のよい腰回りと腿。


「もう無理、寝かせて」

「そこは"ね"じゃなくて"い"だろ」

「アホか、変態」
 

大声で巽が笑っても誰も起きない。そろそろ誰か起きて、私を解放して欲しい。
 
もう、いろいろ限界だから。
 
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