黒い翼


あ、俺がそこまでアイツにこだわる理由?


んー…なんだろ。


やっぱ一番は、今の俺みたいに心酔させたい、かな。


…え?


なんか怖い?


あはは、それ、中学の友達に言われたことある。


俺、顔はそんなに悪くない方だと思うし。


だから惚れたの逆パターンはあって、モテ期来た時はマジでうざかった。


断ったらその場でビービー泣くし、何でダメなのよとか問い詰められるし。


…いや、だって話したことないじゃん、俺ら。


なんて言えねえし。


お前ら俺の性格知らねえだろ。


的な、ね。


あ、俺の性格?


悪いよ、かなり。


……いや、悪いっていうか、寧ろドン引きされる。


ええ…おま、ちょ、お前そんなこと考えてたのか…うわぁぁ…って。


実際言われたことないけどね。


顔がそう言ってるし。


…え、ナニ考えてるか?


そりゃぁ、恥ずかしがって嫌がるアイツの顔見たい。


何されるか分かんないから一二歩下がって、様子見る。


だけど結局俺に着いてくるっていう。


そういうふうにしたい。


まぁ、無理な話なんだろうけど。


だってアイツものすんげーモテるし。


ここの学校のプリンスだか王子だか、何て呼ばれてるのか忘れたけど。


そんな奴までアイツに気があるようだし。


うーわー、アイツがホイホイそいつについて行ったらどーしよー。


俺の計画台無しじゃん。


立て損じゃん。
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