黒い翼

秘密


****


ふわりと、風が彼女の香りを運んだ。


ゴクリと唾を飲むほど。


獣らしく、涎を滴らしてしまいそうになるほど。


甘い、甘い彼女の香りを。


僕は教室を出て、彼女の匂いを道しるべにそこへ行く。


僕が彼女と初めて会ったのはいつだっただろうか。


そう、確か幼い時。


その時に、僕は彼女の笑顔に惹かれた。
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