黒い翼


「なんかめっちゃ水が欲しそうだったから」


「だからってぶっかけるバカが何処に居んだよ!!?」


「ここにいますー」


「おい」


京は笑いながらというか、呆れながらというか。


それでも笑う彼女が好きだ。


「てかさー、なんかここ最近すっごくノド渇かねぇ?」


俺と京が飲み終わったからちょっと聞いてみた。


「あれ、シキも?」


「おうよー」


「ふぅん?」


「まぁ7月だしそんな時期かな~とは思ってたけど、こんなにノド渇くもん?」


「…さぁ?」


「やっぱ地球温暖化とか関係してるんかなぁ…?」


「…なんか一気に超現実になったね」


京が顔を引き攣らせながら言った。


つまらないことかもしれないけど、こんなの言ったらドン引きされるかもしれないけど。


重すぎるって言われるかもしれないけど。


少し、おんなじこと思ってた事がたまらなく嬉しかった。


やっぱ運命なんだなって、さ。


キモって思う人もいるんだろうけどさ。


それでも、嬉しかった。
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