黒い翼
「……っは…」
それから暫く経って、何度も殴られ蹴られたあたしの体は痣だらけだった。
酷く体全身が痛い。
「ぼく…は……」
我に返ったのか、彼は四肢をベッドの四隅に鎖でつながれているあたしを見て、僕がやったの?とでも言いたげな表情を浮かべ、あたしを抱きしめる。
「ごめん…ごめんね……痛かったよねぇ…」
なんなんだ、この差があり過ぎるアメとムチは。
それに、さっきあたしが言ったこと、覚えてないのだろうか。
「ごめんね、梗…僕が……僕が…」
梗はもう死んでいるというのに。