黒い翼
それから彼はあたしを解放し、あたしは梗が好きな甘ったるい部屋から出た。
外の新鮮な空気を肺いっぱいに満たして、吐く。
体がまだ痛かった。
さて、これから彼をどうしようかと、いつもの旧校舎の屋上で悩んでいると、不意にどこからか誰かの血の匂いがした。
それも大量に。
その匂いと一緒に、かすかにシキの匂いも。
嫌な予感がして、あたしはその根源へ行く。
ぺちゃぺちゃと、液体をそそる音がする。
バキガリと骨を噛み砕く音がする。
そして目を瞠る光景。