黒い翼
-----6-----
「あ、シキ。丁度いいところにいた」
頭にタオルを置いて水分補給をしているシキを見つけたあたしは、シキの元へ駆け寄る。
「ん?ナニ?」
「今時間ある?」
「いや、どう考えても部活中なんスけど」
確かに彼を見ると、ランニングユニフォームだ。
「じゃぁ、放課後」
「あー…空いてないこともないけど、」
「けど?」
チラリとあたしを見て、シキは言葉を止める。
「柊の為に時間を割くっていうのが癪なんだよな~」
「………マジカ…」
シキの言葉に絶望した。
周りにいるシキの部活仲間がゲラゲラ笑う。
「冗談だよ、馬鹿」
「焦らすな、全く」
ホッと息を吐いて、少し困ったように口角を上げる。
「なんで?」
「嫌われたかと思った」
「嫌いだったら相手にしてねー。で?何か用?」
「あぁ、そうだったそうだった」
「忘れるくらいの用事か。なら大したことないな。よし、帰れ」
「あたしにとっては大事なことなんだけど」
「嫌な気がするから断っておく」
「…………じゃぁ、オムライス」
「マジ!!?その話乗った!」
「数学教えてくだ――」
「やっぱ止めた!」
「!!?」
あたしのオムライスは絶品だとシキが自分で言っていたのに、そんなにあたしに数学を教えるのが嫌なのか…っ。
「×三日分」
「……………仕方ないな~…」
シキは三日間食費代が浮くことを知らないのだろうか。
それともそんなにあたしに数学を教えるのが(略
あたしは小さくガッツポーズをする。
「んじゃ、ここらで待ってて。もうすぐ部活終わるから」
「なんで三年なのにまだ部活やってんだ?」
「俺、もう進路決まったし。暇だし」
「あぁ、そう」
「んじゃ、買い物行かないと材料ないし、そろそろ暗くなるし……ちゃんとここにいろよ」
「……………子ども扱いすんなよ……」
あたしは遠くなるシキの背中を見ながらそっと呟いた。
頭にタオルを置いて水分補給をしているシキを見つけたあたしは、シキの元へ駆け寄る。
「ん?ナニ?」
「今時間ある?」
「いや、どう考えても部活中なんスけど」
確かに彼を見ると、ランニングユニフォームだ。
「じゃぁ、放課後」
「あー…空いてないこともないけど、」
「けど?」
チラリとあたしを見て、シキは言葉を止める。
「柊の為に時間を割くっていうのが癪なんだよな~」
「………マジカ…」
シキの言葉に絶望した。
周りにいるシキの部活仲間がゲラゲラ笑う。
「冗談だよ、馬鹿」
「焦らすな、全く」
ホッと息を吐いて、少し困ったように口角を上げる。
「なんで?」
「嫌われたかと思った」
「嫌いだったら相手にしてねー。で?何か用?」
「あぁ、そうだったそうだった」
「忘れるくらいの用事か。なら大したことないな。よし、帰れ」
「あたしにとっては大事なことなんだけど」
「嫌な気がするから断っておく」
「…………じゃぁ、オムライス」
「マジ!!?その話乗った!」
「数学教えてくだ――」
「やっぱ止めた!」
「!!?」
あたしのオムライスは絶品だとシキが自分で言っていたのに、そんなにあたしに数学を教えるのが嫌なのか…っ。
「×三日分」
「……………仕方ないな~…」
シキは三日間食費代が浮くことを知らないのだろうか。
それともそんなにあたしに数学を教えるのが(略
あたしは小さくガッツポーズをする。
「んじゃ、ここらで待ってて。もうすぐ部活終わるから」
「なんで三年なのにまだ部活やってんだ?」
「俺、もう進路決まったし。暇だし」
「あぁ、そう」
「んじゃ、買い物行かないと材料ないし、そろそろ暗くなるし……ちゃんとここにいろよ」
「……………子ども扱いすんなよ……」
あたしは遠くなるシキの背中を見ながらそっと呟いた。