rain girl
「なあ!答えろよ!!」
ハルは幼なじみの腕をガシッと掴んだ。
俺は好きなのに。
お前…ヒカルのことが。
やっとその気持ちに気付いたって言うのに。
「………ごめん…」
中2のまだあどけない顔立ちのヒカルはうつ向きながらか細い声で言った。
「…どうしてだよ…何で謝るんだよ!」
訳も分からないまま避けられて、そんなふうに謝られて、俺の目も見ないで。
ハルは好きな子にそんなことをされかなり傷付いていた。
「……ごめん。手、離して」
すれちがいはここからだった。
思わず手の力をゆるめたハルはショックのあまり呆然とし、うつ向くまま目も合わせてくれなかった愛しい人が去っていくにも関わらず、引き止めることもなくただただ立ちすくんでいた。