rain girl
それからいつの間にかお互いのことも名字で呼び合うようになり「幼なじみの関係」には戻れなくなってしまった。
だけどハルはまだヒカルのことを、初恋のその人を、忘れられずにいた。
だから、わざわざ同じ高校に入学した。
その高校はハルにとってレベルが高かったけど、その人のために必死で勉強した。
不慣れな勉強だったものだからハルは受験前は朝も昼も夜もずっと、勉強尽くしだった。
そのハルの豹変ぶりに、親も先生も友達も、周りにいる全ての人が驚いたものだ。
いつもふざけてばかりのハルが勉強してる。
誰もが目を疑った。
同時に賞賛する者もいた。
「ハルは、やればできる」
その言葉をそのときのハルを見た者なら、誰もが信じる、それほどだったのだ。
そしてその姿を見たクラス全員が真面目に勉強し始めたのだ。
ハルはどこか人を動かす力を持っていたのだ。