rain girl
ヒカルが差し出したのは先程の不器用に作られた不揃いな花の冠。
「いいの!?ありがとうヒカルちゃん!」
ハルは喜んでそれを崩さないように、慎重に受け取った。
そして不揃いな冠を嬉しそうに頭に被せた。
ヒカルはニッコリと微笑み、ハルに似合ってると一言告げた。
ハルもヒカルの笑みを返すかのように太陽のように笑った。
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あの頃はまだ雨女じゃなかった。
その日の天気はカラカラの快晴でとびっきりの笑顔がとても似合うような日。
それから何があったのかいつからかヒカルは笑うようにならなくて。
笑わなくなったそんな頃からヒカルの心に雨が降り始めて。
ずっと雨で。
いつしかヒカルの周りにも本物の雨がしとしと降り始めて。
ヒカルは雨女になった。