rain girl
ヒカルは学校の玄関で雨粒を落としてから傘を閉じた。
そしてプチプチと小気味良い音をたてながらレインコートのボタンを外した。
ヒカルは一日の中で一番、哀しそうな顔をした。
無表情の中にもはっきりと分かる瞳の変化。
もの悲しげに瞳を暗くしたヒカルは「はぁ…」と一つ、ゆっくりと、溜め息をついた。
教室に向かって歩き出す。
だんだん教室までの距離が短くなるに連れてヒカルの表情もどんよりとした、調度今の天気のような暗いものとなっていく。
自分の教室のドアの前に着いたときはそれが最高潮となっていた。