囚われ姫~今宵降りゆく星屑は~
「宮星はどこ大?」
「美園大学にございます」
「美園大か。確か部下が美園だったな」




そんな事聞いて意味があるのかと疑問を抱きながらもお礼もせずに帰れないし、と神埼さんの話が終わるのを待つ。
そうして終わったのなら「ありがとう」と一言お礼を言って帰るつもりだった。




「あの時一緒にいたの、同じ大学の奴だろ?」
「はい」
「護ってやるよ。乗りかかった船だしな」
「童を護るなぞ、意味のないことはおやめ下さいまし」




ついつい出てしまった本音に、あたしは身を竦める。
守ってくれた人に対して「守るなんて無意味」だなんて最悪なことを言ってしまった。
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