囚われ姫~今宵降りゆく星屑は~
~夕俟side~
「俺様の、姫になれ」




意味なんて解って無いだろう無知なお嬢様は、美しい肌に涙を伝わせ軽くこくんと頷いた。




「承りましてございます、夕俟様」




その微笑みは誰よりも妖しくて、俺は理性を保つのが精一杯だった。
ギャラリーが温かい目で見守るなか、俺は刹那の左手の薬指に先ほど刹那が「可愛い」と絶賛した錨草モチーフの指輪を嵌めた。

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