囚われ姫~今宵降りゆく星屑は~
~夕俟side~
やっぱり刹那には俺の気持ちは届いちゃいなかった。
『彼女じゃないわ。彼の“姫”よ?』
告げた刹那の辛そうな貼りついた作り笑顔が俺を締め付ける。




そうだ。
俺は確かに刹那に「俺様の姫になれ」と言った。
それがどうして告白だと思えないのか、俺には解せなかった。




刹那が今日持っていたバックに似合いそうな蓬モチーフのキーホルダーを片手に、俺は軽く微笑う。




決めたのはどんなに振られても刹那を諦めない、決して手放さないで、俺が生涯護り抜くこと。
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