囚われ姫~今宵降りゆく星屑は~
館内パンプレットを貰い、レポートの不安を一気に解消すると、あたしは綾ちゃんを促し集合場所に戻る。
先生の話はやっぱり流して、あたしは綾ちゃんを弄ろうと奔走する。




「秋元くんのこと、好きなんだね。熱いわぁ。本当にラブラブね」
「刹那だって西館くん好きなんでしょ?」
「だから好きじゃないッッ!」




こういう場合必死に否定するのは逆効果だと解ってはいる。
けれどあたしはそれを否定することしか出来なかった。




それ以外の彼女の熱の冷まし方を知らなかったから。
< 8 / 74 >

この作品をシェア

pagetop