囚われ姫~今宵降りゆく星屑は~
「で、どこが好きなの?」




綾ちゃんには勝てないと判断したあたしは再び秋元くん攻めを始める。
他人のラブラブを見て笑っているのがどれだけ楽か、あたしは十分すぎるほどに解せていたから。




「お前まだ諦めてなかったのかよ」
「諦めないわよ。だって愉しいもの」




呆れ顔の秋元くんなんてお構い無しに、あたしは綾ちゃんと駅に向かって歩きだした。
あたしが東京駅に来たのは初めてなので誰かいないと帰れないのだ。
大学生にもなって本当に恥ずかしい。
< 9 / 74 >

この作品をシェア

pagetop