ワールド☆スリップ
「ちなみに、今はスペードの王様とクローバーの王子とダイヤの姫、そしてハートの女王様が4つの国の権限のために争ってるよ」
「あらぁ?仕立て屋。あたしもその権限を狙ってるわよ?」
「はぁ?お前みたいな奴には無理だよ」
「まぁ!?聞き捨てならないわ!」
「ちょ…止めろよ!!リサちゃんも竜くんも困ってるだろ!?」
……すいません。
どちら様でしょうか…?
まあ、黒うさぎの仲間なのかな…?
「…あぁ。ごめんあそばせ、リサさん、竜さん。あたしはアリアと申します。よろしくね」
「僕は仕立て屋だよ。んーとね、その辺で店を営んでたんだけどさぁ、アリアに潰されたかわいそうな人だと思ってよ」
仕立て屋は、大通りから見える広く長い商店街を指差しながら言った。
潰されたってどういう風に…?
金?
権力?
それとも………
『まさか、ね…』
爆弾とか、そういう系ではないことを祈ろう。
なんか怖いし。