私のヒーロー=ヤンキー君☆
唇に、柔らかくて温かい感触を感じた。
「……もう……げんか、い……」
ドサッ
「りゅ、龍雅!!」
「龍!?しっかりしろ!!」
「急いで病院に行きましょう!!」
「龍雅…龍雅!!」
龍雅は苦しそうに息をして、額に汗を滲ませていた。
殴られた痕も痛々しい。
羽柴くんが龍雅を背負うと、走り出した。
「そこの道出たら、タクシー拾うわ!2人は先に病院向かっとけ!!タクシーなら病院まですぐやから!!」
「わかったわ!りま、病院に向かうよ!!」
「…っつ…うん。」
「あんたも診てもらいなさいよ!女の子の顔で怪我の痕なんか残ったら大変だからね!!」
「わ、わかったよ。」
私と茉智ちゃんは羽柴くんと別れて、一足先に病院に向かった。