私のヒーロー=ヤンキー君☆
『ちょっと、腕離してよ!』
「あ、茉智ちゃんと羽柴くんが見える。」
「まだ言い合ってんのか?元気だな……」
そう言う龍雅の羽柴くんと茉智ちゃんを見る顔は、とても穏やかだった。
その横顔にしばらく私が見とれていると…
「ん?りま、どうした?」
龍雅が私の視線に気づいてこっちを向いた。
「え、いや…龍雅優しい顔してるなって…」
「そうか?まぁ、あの2人見てると面白いしな。お互いもっと素直になれば良いと思うが……」
また、龍雅は羽柴くんと茉智ちゃんに視線を戻して苦笑した。
『何や、別にええやん?手、繋いでるわけでもないんに…』
『い、いいから離してよ!!』
『んー…よし!じゃあ、手、繋ごうや!!』
『どう考えたらそうなんのよ!?』
そう言うと、茉智ちゃんは羽柴くんの手を勢いよく振り払った。
「「……漫才…」」
まるで漫才をしてるみたいな2人を見て口から出た言葉が龍雅の言葉と重なる。