私のヒーロー=ヤンキー君☆
放課後、下駄箱で靴を履き替え終えた私は、茉智ちゃん達より一足早く昇降口を出た。
「早く早くー!!」
「りま、早すぎ!」
「ホンマ、元気やなぁ。」
「ん?りま、何か落としたぞ!」
そう言う龍雅の言葉に振り返った。
「え?」
「これ…あの時も落としたよな。」
そう言って私の手のひらに置いたのは、私と龍雅が初めて会った日に落としたキーホルダーだった。
「あ、ありがとう。また落としちゃった。」
「気をつけろよ。」
「うん…懐かしいね。ここで初めて龍雅と会ったんだよね…」
「そうだな…本当に、俺のこと恐がらない奴は初めてだったからな。かなり驚いたな…」
龍雅はそう言うと、柔らかく笑って私を見た。