私のヒーロー=ヤンキー君☆
伝えたくて
泣く私に優しく声をかけてくれて、頭をぽんぽんと撫でてくれて……
少しずつ落ち着いてきた私は、きちんとお礼を言おうと涙を拭って鳳くんを見た。
「鳳くん、助けてくれてありが…」
「りま!!」
「え、茉智ちゃん…」
「鳳 龍雅!!」
茉智ちゃんは私と鳳くんの間に割って入って大きな声で叫んだ。
「ま、茉智ちゃん…」
「りまを助けてくれて、ありがとう!!」
「……は?」
「何よ、当然でしょ?親友を助けてくれたんだから。本当、りまが言う通り『人は見かけによらず』かもしれないわね。」
「……うるせぇな…」
鳳くんはそう呟くと、ダルそうにまたポケットに手を入れて私達を見た。
「本当に無愛想ね。」
「……本当、うるせぇ…」
「あ…鳳くん、助けてくれてありがとう。」
そう言えば少し顔を赤くして、
「……もう泣くなよ…」
ぽんっ…
私の頭に手を置いて、低い声でそう言うと廊下を歩いて行ってしまった。