私のヒーロー=ヤンキー君☆



古典の授業は眠くなる。

先生が文章を読み上げる声は、まるで子守唄。
黒板に書かれた文字をノートに写し終えると、暫く先生の長い話が始まる。

いつもなら眠くなるのに、今日は不思議と眠くならない。

頭の中は、鳳くんのことでいっぱいだった。


あの時助けてくれた鳳くんの姿が。
顔つきが、瞳が、凛とした声が。


今、私の思考回路を支配している。


眠くもならないし、先生の長い話も耳に入らない。

ふと、窓の外の空に目を向けた。


「あっ、飛行機雲…」


小さく呟いて、明日は雨かななんて思いながら頬杖をついた。


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