kissmark
何度もやめようと思った。


束縛が嫌いで。

自由奔放で。

止まる木を持たない、どこまでも勝手で気ままなあなたのこと。


一度だって彼女だなんて言われたこともないのに。

ズルズルと、曖昧な関係をやめられないでいる。


なんでこんな最低な男、好きになったんだろう。

ホント、バカみたい。


冷静になって考えてみればわかること。


だけど、それでも一緒にいようとするあたしの方が、ずっとバカだ。



そんなあたしの思いさえ知らず、しれっとした顔でまたうつ伏せになってタバコをふかす。


憎いと思いながらも。その首筋に残る赤い痕さえ、全てがあたしを魅了する。



ドロリ、と。あたしの中の欲望が這いずり出されそうになった、その瞬間。
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