赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
序章
ガタゴトと揺れる馬車。

若い黒馬に引かれた豪奢な馬車には、一人の少女が乗っている。

彼女は緊張の面持ちで固まっていた。


ただの村人である彼女にとって、こんな馬車に乗ること自体奇跡に近い。

緊張しない方がおかしいというものだ。


少女・キサラ=レイニスは、これまた豪華な内装を見つめながら自分の不運を呪っていた。
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