赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「どう思う? おばさん」

自分でもおかしいと思うくらい淡々とした声で聞く。


「どう思うって、何て書いてあるんだい?」

ミラおばさんはただ事では無い雰囲気を感じ取ったのか、焦り混じりに聞いた。

キサラはやはり淡々と手紙の文章を読み上げる。


「キサラ=レイニス殿、貴女は現マクスウェル伯爵の花嫁に選ばれました。つきましては、一週間後お迎えに参ります。
……だって」

イタズラとしか思えない。
だが封筒に押された印章は本物。


「どう思う?」
と、キサラはもう一度聞いた。
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