赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
今まで感じた事のない感情が湧き出していたが、ジュークはそれを振り払う様に頭《かぶり》を振った。

それ以上なにも考えないように、キサラをベッドに運びすぐに部屋を出ようとする。


だが、ベッドにキサラを横たえると袖を掴まれてしまった。

引っ張っても簡単には外れそうにない。


「……」

思い切り力を込めれば外せるだろうが……。


(参ったな……)

そこまでして外す気にはなれなくて、困ったようにため息をついた。
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