赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「これは冷やさなくてはいけませんね。どうぞこちらへ」

そう言ってダンテは先生を連れて部屋を出て行く。


それを見届けてから、キサラは濡れてしまったテーブルや床を片し始めた。


「キサラ様、それは私の仕事です。貴方はまず着替えて下さい」

淡々とした言い方は冷たくすら聞こえる。

だが、そのセラの言葉は最もだった。


自分も紅茶を掛けられてしまったキサラ。

いつまでもこのままでいるわけにはいかない。
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