赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
セラは『何がですか?』とは聞かなかった。

表情にも勿論疑問は表れていない。


だが、小首を傾げたので疑問に思っているということは伝わった。


キサラは何と説明しようか迷い、少しずつ話す。

「あたしの不運は、身の回りの人にも影響を与えてしまいます。でも、それだけでは済まないんです」

「と、言いますと?」

今度は言葉で疑問を口にしたセラに、キサラは躊躇《ためら》いがちに続けた。
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