赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
おかげで急ぎの仕事が終わったのは昼を遠に過ぎた時間。

急ぎでは無くとも、早めにこなさなければいけない仕事もしていたら夕刻になっていた。


「全く、昨夜寝てしまわなければこんな事には……」

過ぎてしまったことは仕方ないのだが、ジュークは愚痴らずにはいられなかった。


昨夜キサラが袖を掴まなければ、もう少し居ようなどとは思わずあのまま眠ってしまう事は無かった。

仕事の最中、キサラの記憶が邪魔しなければもっと早く仕事を終え、少しでも眠る事が出来た。


そう思うと、キサラの存在が本当に忌々《いまいま》しく感じる。
< 162 / 438 >

この作品をシェア

pagetop