赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「ふざけないでっ!!」

そう叫ぶと同時に涙がぶわっと溢れ出た。

抑えられない感情は涙も止めど無く流させる。

まだまだ言いたい事はあるのに、嗚咽で言葉が出せなくなった。


そんなキサラをジュークは無言で引き寄せる。

軽く抱き上げ、クルスを呼んだ。


「クルス。……帰るぞ」

「あ……は、はいっ。只今準備を」

呆然としていたクルスは、返事をするとアンジーから離れ馬車へと走る。
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