赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
ジュークに運ばれているキサラは、嗚咽を漏らし泣きながら「離して……」と呟く。

だが聞こえているはずのジュークは何も答えず、ただキサラを抱く腕に力を込めるだけだった。



そうして小さな騒動を残し、マクスウェル伯爵は帰路につく。


娼館街の者たちは暴れ馬の事もあり、そんな騒動など気にする事は無かった。

ただ一人、黒髪の娼婦を除いては……。



 
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