赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「嫌、離して。自分で歩けますっ」

確かに痛みはあるが、右足にあまり力を入れずゆっくり歩けば大丈夫だった。

それに何より、今はジュークの側にいたくなかった。


今は一人になって、ひとまず落ち着きたい。

でなければまた泣きわめきたくなる。

さっきよりも酷い言葉を叫んでしまうかも知れない。


だからそう言って暴れた。

なのにジュークは下ろしてくれない。


彼は一体何を考えているのか。

キサラにはさっぱり分からなかった。
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