赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
そこまで読み返して、ジュークは手紙をぐしゃぐしゃに丸めた。

読み返す度に同じようにしているため、手紙はもう原形を留めてはいなかった。


手紙の続きには、忍び込もうとした男達は結局、キサラの不運のとばっちりによって事に及ぶ前に逃げ帰ったと書いてある。

だが、ジュークは言いようの無い怒りが込み上げ収まらなかった。


その男達全てを殺してやりたいと思う。

そんな事も知らずにいた自分が許せないと思う。


この怒りと、今日の怒りは似ている気がした。
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