赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
(いずれ、そうなってしまうんだ……)

「んっ……」

考え事をしながら頬を撫でていた所為か、何時の間にか指が唇に触れていたらしい。

少し艶っぽい声がキサラの唇から漏れてジュークは驚く。


艶やかな女。色っぽい女。

そういう女はジュークの好みでは無い。

女のそういう仕草自体が苦手なのだ。


なのにどうしてだろう。

今のキサラの声には嫌悪など感じなかった。


(いや、むしろ……)

喜びの様な感情が湧き出てくる。
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