赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
ドクン、ドクンと、心臓の動きが早くなる。

何が起こっているのか分からなくて、ジュークはもう一度キサラの唇に触れた。


「ぅっん……」

少し艶っぽい声に、色っぽい吐息。


苦手なはずの仕草。

なのにジュークはその瞬間頭が真っ白になる。


自分が何をしているのか分かっていなかった。

ただ何かが枯渇《こかつ》しているかの様で、ひたすら貪《むさぼ》った。

気付いたのは一息ついてから。


「俺は今、何をした?」
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