赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
(そうよ。問題はそこではないもの)

身分の違いがどうとか、そういう問題では無いのだ。

問題はクルスの言葉。

キサラがジュークの婚約者だと紹介した後の言葉だ。



『ジューク様が直々に選んだ花嫁なんですよ』

直々に選んだ。

彼が、あの子を。



キサラ。
小さくて細くて、可愛らしい少女。

自分とは正反対な娘。


あの子がジュークの好みなのだとしたら、自分が気に入られているというのはただの思い込みということになる。
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