赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
ただでさえ、ジュークが血を吸う相手として娼婦を選んだのは色々と都合が良いからだろう。

詮索する様な事は話さないし、一々騒ぎ立てる事もない。

しかも後腐れもない。


突然顔を出さなくなっても、何の問題も無いのだ。


(彼が、来なくなる……?)

一切、会えなくなる。


それは、一番恐れていた事だった。

叶わぬ恋でも、自分を見て貰えなくても、会って話が出来るだけで良かったのに……。

それすらも出来なくなるのだ。
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