赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「いや……」

(そんなのは、嫌)


溢れ出そうになる涙。

こらえようとして、出来なかった。

両手で泣き顔を隠す様に顔を覆う。


(どうして……っ!)


いずれは来なくなるのは分かっていた。

だが、それはまだ何年も後の事だと思っていた。


なのに、こんなに突然そのときが来るとは……。


(あの子が来なければ良かったのに……)

「あの子さえ……」

「いなければいい?」

「っ!?」
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