赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
(ひ、ひえぇぇぇ!)

人に抱き締められる経験がほぼ無い事もあり、他人の体温に身を強張らせてしまう。

逃げ出そうとすると更に強く抱き締められるので、これ以上動けないのだ。


毎朝こうして抱き締められてしまう。

そして毎朝同じ事を思う。


(セラさん、早く来て~!!)

自分ではどうにも出来ない状況を、何とか変えてくれる人の来訪に期待する。


だがこういうときに限って彼女は遅いのだ。

……いや、ただ単にキサラがそう感じているだけかも知れないが。
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