赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
コンコン
と、部屋のドアからノックの音が聞こえたのはどれ位経ってからか。
キサラには一時間近くにも感じられたが、実際のところは十分程だろう。
返事を待たずに開けられたドア。
入って来たセラは一礼すると、何時もの無表情で何時もの言葉を口にした。
「おはようございますキサラ様、ジューク様。今日も仲のよろしい事で。その調子で早くご懐妊なさってください」
淡々とした口調だが、最後の部分だけは少し笑みを浮かべていた。