赫の守護〜無自覚溺愛吸血鬼〜
「何だか嬉しいわ。こうして娘にフルートを教えるの、ちょっとした夢だったのよ」
ぎこちなくフルートを吹き始めるキサラの傍《かたわ》らでメルリナは話し出した。
「ジュークは男だし、バイオリンが得意だったから私が教える事なんか無くて……」
「嬉しいのは分かりましたが、今日のレッスンは早めに切り上げて下さい」
語るメルリナの言葉を中断させるかの様に、キサラ達から少し離れた場所で待機しているセラが抑揚の無い声で言った。
「足の怪我も完治しましたし、今日からはダンスのレッスンも再開したいので」
「全く、分かっているわよ。セラはたまにダンテより厳しいわね」
「恐縮です」
ぎこちなくフルートを吹き始めるキサラの傍《かたわ》らでメルリナは話し出した。
「ジュークは男だし、バイオリンが得意だったから私が教える事なんか無くて……」
「嬉しいのは分かりましたが、今日のレッスンは早めに切り上げて下さい」
語るメルリナの言葉を中断させるかの様に、キサラ達から少し離れた場所で待機しているセラが抑揚の無い声で言った。
「足の怪我も完治しましたし、今日からはダンスのレッスンも再開したいので」
「全く、分かっているわよ。セラはたまにダンテより厳しいわね」
「恐縮です」